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うたかた日誌

好きに、書いてます。

怖い夢を見た

コラム集

怖い夢を見た。

そこは、今まで行ったことのない知らない街で、定食屋さんのようなお店でライブすることになっていた。スタッフや共演者はわりと身近な存在の人たちばかりで、私は出番が来るまでこの街並みを散歩することにした。とても坂が多く、車でぐんぐん上がっていくと結構高いところまで街が続いていて、見下ろすと密集して小さく見える建物が全体に広がっていた。それを青々とした穏やかな海が取り囲み、雲一つない晴れ模様はより一層気分を高ぶらせた。街並みの新鮮な景色に夢中になり、しばらく車を走らせていると、どの道から来たのか、ここはどこなのか解らなくなっていた。わたしは自分のいる位置を確認するため車から降りて、街の景色を見下ろしながら走った。共演者の演奏が反響して遠くからかすかに聞こえてくる。もう出番は次かもしれない。いや、何番目に出演するかも聞いてくるのを忘れた。完全に迷子だ!わたしとわたしの影は、必死に走った。すると今度は、車を置いた場所が解らなくなってしまった。やばい!どうしよう、ライブ出来ない!その時頭によぎったのは、村重さんがひとりで演奏して、それがとても好評で、わたしはミーワムーラのボーカルの座を下ろされてしまうという妄想だ。それならそれで村重さんのソロデビューというとても良いことなのだが。とにかく焦ってあたふたしたが、突然、なんの前触れもなく何を思ったのか冷静さを取り戻し「あれ?もしかして夢から覚めりゃいいんじゃん?」と思いつくと、わたしはコントロールするかのように夢を無理矢理中断させた。

目覚めると、いつもと変わらないベットの上で、カーテンの隙間からこぼれる朝陽が猫の毛を乾かしていた。わたしは、夢を無理矢理中断し逃げ腰な自分に対して、(そうやって今まで逃げて来たんだろ?事実を受け止めないなんて、嫌な奴めぇ。)と怒った。

猫はベットの上で、あくびをして伸びをして知らんぷりだ。そういえば、夢を見る前に一度目が覚め、猫にご飯を要求されたことを思い出した。猫「カリカリごはんじゃなくて、缶詰ごはんの方を食べたいんですけど、ください。」わたし「ちょっと待って、後でやるからもう一度寝させて…。」そんなやり取りをしながら、またうつらうつらしてしまい、この二度寝が怖い夢を引き出したのだ。それに加えて猫に対しての傲慢な態度が、良い夢のはずが夢喰い猫によって食い荒らされたのかもしれない。

そしてベットから飛び起き、猫にお好みのごはんをあげ、眩しい太陽の日差しに包まれた庭に洗濯物を干し、バタバタ出掛ける準備をして車に荷物を積めた。夢のことを考える間もなく、いざ出発しようと運転席に乗ると、今度は助手席に猫が寝て待っていた。わたしは運転席の背もたれを倒して、隣でしばらく一緒に寝た。

 

(ミワヨシカズ)