読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

うたかた日誌

好きに、書いてます。

玄関先で

コラム集

増えてしまったので、いつかの浜辺で拾ったたくさんの貝殻を玄関先に散りばめた。ある日帰宅すると、その集合体はあちこちに散乱し、数もなんとなく少なくなっているようだった。家の隣の空き地を見ると5、6人の子供たちが遊んでいる。散々遊んで家の前を通ると立ち止まり、その貝殻の集合体にたむろした。わたしは、脅かすようにワッっと玄関を開けた。そっちは驚く様子もなく、空き地での出来事を話してきた。「気をつけて遊んでね、さよなら」。しばらくして玄関先の側溝の泥をすくう小さなスコップが無い事に気付き、空き地へ行ってみると、子供たちの遊びに参加していたようだった。一応、また玄関先に戻した。

数日経って夕方帰宅すると、遂に玄関先の貝殻はほとんど無くなっていた。隣の空き地へ行くと、U字溝が逆さに並んである上に、石、砂利、小枝、貝殻が、きっちり分けて置いてあり、泥をすくう小さなスコップも一緒に並んでいた。よく見ると、砂利をすくいやすくする為なのか、両側面の先端が内側に折れていて、力一杯やっても手ではなかなか戻らない。このまま持ち帰り、今度は玄関内に入れて置こうかとも思ったが、また玄関先の同じ場所に戻した。

今後の貝殻の行方も気になるが、側溝の泥をすくう小さなスコップがまた持ち去られたとしたら、次はどんな形になって戻ってくるのだろう。

 

(ミワヨシカズ)